原液コラーゲンや、原液ヒアルロン酸など、「原液」と書かれて小さめのボトルに入った化粧品をよく見かけますよね?「原液」と聞くと、濃い成分がたっぷり入っているイメージですが、実はそうとも言えないのです。
目次・コンテンツ
そもそも原液って?
原液というとその美容成分が100%入っているものというイメージですが、実は、「原液」の定義が違うのです。原液というのは、その原料を作っている原料メーカーさんの原液を、その場でボトル詰めしたもののこと。ちょっと分かりづらいですよね。。。例えば、コラーゲンを例にとりますね。コラーゲンは豚の豚足や、鳥のトサカ、また魚からも取り出すことができますが、取り出されたコラーゲンは粉の状態です。これがコラーゲンの現物と言われるもの。そして、粉のままでは化粧品に配合しづらいので、水に溶かしたものがコラーゲンの化粧品原液で、水溶性コラーゲンと呼ばれます。(化粧箱や、全成分表に水溶性コラーゲンと表記されます)この水溶性コラーゲンでどのような原液を作るかは、原料メーカーさんそれぞれによって違います。例えば、水溶性コラーゲンにヒアルロン酸を加えて、ヒアロコラーゲンという原料を作ることもできるのです。
そして、「原液」には、もう1つ決まりがあります。それは、原料を作った会社(工場)で製品にすること。例えば、Aという原料メーカーが自分の会社には水溶性コラーゲンがないので、Bというメーカーから水溶性コラーゲンを購入して、A社の工場で素敵なボトルに入れたとしますね、そうしたら、それは「原液」ではないのです。でも、A社が全く同じ中身を自分の工場でボトル詰めしたら、それは「原液」となります。ちょっと不思議な決まりですよね?
原液は成分100%とは違う
ここまでで、「原液」ってなに?について、ちょっとづつ理解していただけたと思います。では「原液」の成分は、イメージ通り濃いのでしょうか?実はそれも、「原液」によってそれぞれ違うのです。例えば、A社の水溶性コラーゲンは1mlの水にコラーゲンを0.001%の割合で溶かしたものだとしますね。そしてそれを30mlのボトルに詰めたコラーゲンの原液の場合、0.001x 30(ml)=0.03 なので、30mlのボトルの中に0.03%の濃度でコラーゲンが入っていることになります。でも B社の水溶性コラーゲンは、水1mlに対して0.1%のコラーゲンを溶かした原液を作ってとすると、この場合B社の30mlのボトルは、0.1x30(ml)なので、3%のコラーゲン濃度になります。だから、「原液」=濃度が濃いというわけではなくて、それぞれの会社によって違うのです。そして化粧品の場合、何をどれだけ入れているかを明記しなくてはいけないという法律はないので、濃度を明記している会社はほぼないのです。
原液と美容液はどっちが効く?
上記の様に、原液といっても美容成分が薄いものもあれば、美容液で美容成分の配合濃度が高いものもあるので、こっちが効きますと即答するのは難しいですね。。。でも選ぶ時に迷ったら、何のために使いたいのか?という目的をしっかり持つのが良いかも知れません。
原液は、1つの原料で作られていることが多いので、ハリのためにコラーゲンをプラスしたい、とか、潤いのためにプロテオグリカンを足したいなど、興味のある成分を今のお手入れにプラスすることができます。美容液の場合は、プラスのお手入れというよりもそれ1本で結果を出したい時におすすめ。美容液は、さまざまな成分を絶妙に組み合わせることで、多角的にアプローチしてくれるから。例えば、ハリのための美容液だったら、水溶性プロテオグリカンで角質層の中から潤いでふっくらさせ、皮膜成分を配合して肌表面をキュッと引き上げ、つや成分も配合することで気になる顔の影を飛ばす。。。などの工夫がしてあるので、1本でハリに対してさまざまなアプローチをしてくれるのです。